昨年公開された『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』を鑑賞した方の中には、『エンジェル・ハート』というテレビアニメを思い出した人のいたでしょう。
この二つの作品の違いについて、分かっている方は少ないと思います。
単純に『エンジェル・ハート』を『シティーハンター』の続編だと誤解している方も多いかもしれません。
実際のところ、『エンジェル・ハート』は『シティーハンター』の世界観とは別物なんです。
これは『シティーハンター』の作者である北条司さんが生み出したパラレルワールドのストーリーとなっています。
簡単に言えば、『シティーハンター』と『エンジェル・ハート』は異なる設定のもとに作られた物語です。
そこで、今回はアニメ『エンジェル・ハート』が具体的にどんな物語であり、『シティーハンター』とどう違うのかについて、詳しく解説します。
『エンジェル・ハート』と『シティーハンター』との大きな設定の違い
出典:エンジェルハート アニメ – 検索 画像 (bing.com)
〇冴羽獠、ふだんからスケベな一面を変わりありませんが、香瑩(しゃんいん)の義父としての役割をしています。
シティーハンターの設定よりも10歳年齢を重ねているために、腰痛や老眼と言った年齢的な変化は出ています。
演出も少しだけ落ち着いた雰囲気を持っています。
〇槇村香、第1話で車に轢かれそうになった子どもを庇い交通事故で亡くなります。
生前にドナー登録をしていたため、死後に移植用として心臓が摘出されいました。
その心臓が奪われて偶然、香瑩(しゃんいん)に移植されたことにより魂として、香瑩(しゃんいん)の心と対話して、行くうちに香瑩(しゃんいん)を成長させる義母の役割を担っていきます。
〇野上 冴子は年齢設定が違う為に色気を出すシーンは減っています。
しかし、冴羽獠と香瑩(しゃんいん)の関係性を理解するまでの間、焼きもちを抱くシーンがありました。
〇ファルコンは日本人、伊集院隼人ではなくアフリカ系アメリカ人の設定になっています。
エンジェル・ハート(概要・登場人物)
原作者:北条 司
監督:平野 俊貴
放送時期:2005年10月3日~2006年9月25日
ストーリー:50話
冴羽獠
1年前に婚約者であった槇村香を交通事故で失い、それ以来仕事もせず日々抜け殻のような生活を送っていました。(心に穴が開いたような姿が痛々しく感じます。)
シティーハンターの頃より年齢を10歳重ねた設定の為に、相変わらず『もっこり!スケベ』は健在でも、腰痛や老眼の年齢的な事は少し感じているようです。
そんな中、グラス・ハートを青龍部隊から救った後は、父親代わりとなってシティーハンターとしての仕事も再開します。
美女を見ると股間がもっこりするたびに、香ではなくグラス・ハート(香瑩)から天誅を食らいます。
槇村香
獠と結婚式の写真を撮る道中、車に轢(ひか)れそうになった子どもを庇(かば)い交通事故で亡くなり第1話の時点で『故人』となってしまいます。
事故死する直前、獠にプロポーズをされていて『エンジェル・ハート』では、二人は実質的に内縁の夫婦に関係になっています。
香瑩(グラス・ハート)
香瑩、別名グラス・ハートは台湾マフィア育ちの若い暗殺者。
幼い頃、27番という名で知られ、実はマフィアボス、李大人の娘。
15歳で暗殺の訓練を受けた後、生き方に絶望し自殺を試みました。
その際、事故で亡くなった槇村香の心臓が彼女に移植されました。心臓移植から1年後、意識を取り戻し台湾マフィアから脱出。
新宿で新しい人生を歩む物語が始まります。
ファルコン(海坊主)
失明後、スイーパーを辞め失明状態で『喫茶店CAT’S EYE喫茶店』を営んでいます。
そんなある日、香瑩が店を訪れて声は違えど雰囲気その他、すべてに置いてファルコンは香の気配を感じます。
後半は、孤児の『ミキ』の父親として生きることを決めます。
『ファルコン』が『ミキ』に親子として生活を始めるときに、俺の目になってくれ!と言うセリフがありました。
ドク
花園診療所の医師で本名は不明、冴羽獠とは古い知り合いで、グラス・ハート(香瑩)が診療所に運ばれて入院している時に、鏡の自分と会話しているのを耳にしてから、槇村香の心臓の持ち主がグラス・ハートであることを感じます。
そして、香の記憶を持って戻ってきた直感する。
劉 信宏
青龍部隊の一員で、訓練生時代はグラス・ハート27番と信頼し合っていました。
後半に入ると、喫茶店CAT’S EYEで働きながら、グラス・ハート(香瑩)に少しずつ香瑩に心を惹かれていきます。
香瑩と香の関係
グラス・ハート(香瑩)に移植された(香)の心臓と心が少しずつ、人間味が溢れる人物像を創り出していきます。
少しずつ、香瑩は心臓の(香の存在)を感じます。
そして、鏡を見ながら、香と香瑩の語り合う場面が幾度もあります。
その中で生きている限り二人は一緒と言うことをうまく理解できなくて葛藤するシーンがあります。
その後、香の魂が香瑩に宿っていき、槇村香と冴羽獠の娘と言う位置づけに変化していきます。
エピソード1~の流れ
第1話:台湾の黒社会組織の殺人兵器として養成されて、命令に従い殺しを行ってきた少女(コードネーム)グラス・ハート。
そんな彼女が人殺しに疲れて自殺を図りますが、同時期に槇村香が子供を庇うために車に轢かれ死亡した香の心臓が移植されて一命を取りとめます。
その後、蘇ったグラスハートが香の記憶に導かれて新宿へ来ます。
彼女はその後、心臓(香の魂)と少しずつ心を通わせて人間性を取り戻していきます。
冴羽獠と李大人の関係性
若き日の冴羽獠と台湾の正道会ボス李大人は、時には敵、時には味方としての関係性でした。
李大人には、そっくりの双子がいました。そして、偶然にも香の心臓が移植された香瑩は、李大人の娘でした。
香瑩(しゃんいん)の名前:エピソード11
グラスハートに実の父親であることを名乗らないことを決意していました。
そんな時、気を回した冴羽獠が街案内を口実にして、二人だけの親子の時間を与えました。
はじめてのプリクラを撮るなどして思い出をつくります。
その際の、二人の行動が心温まりました。
台湾マフィアのボス李大人の娘・李香瑩(リ・シャンイン)が本当の名前。
2歳のころ父の部下の裏切りにより母親と共に車ごと海に沈められます。
母親はその際死亡、香瑩は助かりますが、殺し屋として教育を受けます。
その際に呼ばれる名前が27番でした。
その後は、コードネームの『グラス・ハート』が名前になっていました。
李大人が本当の親ですが父であることを明かさないと言う意思を組んで、冴羽獠が身元を引き受ける意味で名前を付けます。
その名前が香瑩(しゃんいん)です。
最愛のパートナー『香』、そして、香と獠の二人の大切な子供であることから、宝石のように美しく大切な意味で『瑩』と説明しています。
エピソード12以降:シティハンターとして行動をする2人
冴羽獠は香瑩(しゃんいん)の義父・槇村香は義母としての役柄になります。
そして、11話で登場した李大人が冴羽獠へ香瑩(しゃんいん)との時間を過ごさせてくれたお礼として撤去されていた伝説の伝言板を、復活させたため、シティーハンターとして冴羽獠と(香瑩)の行動がはじまります。
50話のエピソードタイトル
話数 | サブタイトル | 話数 | サブタイトル |
1 | ガラスの心臓 グラスハート | 26 | もう一度あの頃に |
2 | 香が帰ってきた | 27 | 私、恋してる⁉ |
3 | XYZの街 | 28 | 約束 |
4 | さまようHEART | 29 | 私の妹…香 |
5 | 氷別(さよなら)…カオリ | 30 | この街は私の全て |
6 | 再会 | 31 | 最後の夜に見た奇跡 |
7 | 俺の愛すべき街 | 32 | 組織から来た女 |
8 | 真実(ホントの仲間) | 33 | 神からの授かりし子 |
9 | 香瑩~失われた名前~ | 34 | 二人の決意 |
10 | エンジェルスマイル | 35 | 未来へ |
11 | 父娘(おやこ)の時間 | 36 | 幸せを呼ぶ女の子 |
12 | 船上の出会いと別れ | 37 | 汚れのない心 |
13 | 季大人からの贈り物 | 38 | オレの目になってくれ |
14 | 復活C・H(シティーハンター)! | 39 | 依頼者は大女優 |
15 | パパを捜して | 40 | ミキの隠された秘密 |
16 | C・H(シティーハンター)としての資格 | 41 | 自分の居場所 |
17 | 夢の中の出会い | 42 | 二人だけのサイン |
18 | 親子の絆 | 43 | 私が生きる日常 |
19 | 陳老人の店 | 44 | 俺たちの子供のために |
20 | 宿命のプレリュード | 45 | 人間核弾頭、楊 |
21 | 哀しき守護者(ガーディアン) | 46 | マザー・ハート |
22 | 不公平な幸せ | 47 | アカルイミライ⁉ |
23 | 出発(たびだち)のメロディ | 48 | 引き寄せられる運命 |
24 | 鼓動と共に | 49 | Get My Life |
25 | 死にたがる依頼者 | 50 | ラストプレゼント |
登場人物・キャラクター(声優・2024年3月の年齢)
キャラクター | 声優 | 2024年3月 |
冴羽 獠(さえば りょう) | 神谷明 | 77歳 |
槇村 香(まきむら かおり) | 伊倉一恵 | 64歳 |
香瑩(しゃんいん)グラス・ハート | 川崎真央 | 37歳 |
ファルコン | 玄田哲章 | 75歳 |
ミキ | 小山茉美 | 69歳 |
餅山 | 龍田直樹 | 73歳 |
野上 冴子 | 麻上洋子 | 71歳 |
李大人 | 有本欽隆 | 2019年2月1日(78歳没) |
ドク | 島田敏 | 68歳 |
劉 信宏 | 鈴木千尋 | 47歳 |
エンジェルハート:もう一人の冴羽獠(義父:パパ)
親子の絆、運命の出会い、そして人間が直面する様々な感情の謎解きがこの作品の大きな魅力の一つで、『シティーハンター』のファンであっても、別の角度からこの世界を楽しむことができます。
『エンジェル・ハート』は、冴羽獠と交通事故で亡くなった香の心臓を持つ少女・香瑩の親子の物語です。
この記事を読んで、『エンジェル・ハート』や『シティーハンター』に興味を持った方は、ぜひebookでチェックしてみてください。
![](https://i0.wp.com/www16.a8.net/0.gif?resize=1%2C1&ssl=1)
『関連記事』